システム班
システム開発を目的とした研究グループです.
主にソフトウェアのみを扱う場合,ハードウェアとソフトウェアの両方を扱う場合,ハードウェアのみを扱う場合,機械なども扱う場合とあり,学生が自由に希望で選んでいます.
学生が考え出して,実際にやりたいことを行う例が多く,若い発想が活かされています.
例えば,以下のような研究を行ってきました(現在進行中のものも含みます).
これらの研究のリーダーは井口,サブに笹尾先生になってもらって進めています.
1. 高速なPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)
ソフトウェアとハードウェアの両方を扱います.PLCは,電力プラント,化学プラント,製造工場,遊園地の遊具,エレベータなどの制御機器で,市場規模が大きいものです.この高速化を研究しており,従来の100倍の高速化をすでに専用ハードウェアで達成しています.今後は,専用ハードウェアでの研究を続行しつつ,従来のマイクロプロセッサのみを用いてそのソフトウェアやアルゴリズムなどの工夫によって低コストで10倍程度の高速化を目指すなど実用化への研究も行っています.
2. EVカート(電動カート)の研究
電気自動車が,今後ますます発展するには.電池の改良,モーターの改良,制御の改良があります.ここでは,制御を中心にモーターもコイルを手巻きで巻いて改良しています.筑波サーキットで行われるレースで上位入賞を目指しています.また,原付バイクを電動バイクに改造するプロジェクトも始動しています.
3. ネットワーク上で管理する研究室入退室施錠システム
情報科学科の研究室のカギを管理して,学生証のみで鍵をあけて自由に部屋を使えるシステムを開発しています.現在,井口研の学生実験室ですでに2年間稼働しています.今後,他の部屋にも拡大する予定です.また,学生が部屋に在室しているかどうかなどを画像で確認して,学生の勉強時間の証拠(エビデンス)となるようなシステムも開発中です.
4. ネットワーク上での問題発言発見システム
twitter, blogなどでの問題発言による炎上は,後を絶ちません.大学でも外部から多数の指摘を受けて,その度に学生の事情聴取を行い処分をしてきています.そのようなことがないように,入学時に注意しているにもかかわらず普通の学生が問題を起こします.早期に発見し,大事にならないようなシステムを開発します.また,ネットワークで隠語を使って苛めをする陰険な苛めを早期に発見し,関係する小学校,中学校,高校などに連絡するシステムも開発したいと考えています.
5. 大学の授業のIT化の支援システム
小学校,中学校などで授業のIT化が大きく進んでいます.これは,学習指導要領に従って,日本国内すべての子供たちは同じカリキュラムを勉強するので文部科学省も支援をしてきたからです.ところが,大学では遅々として進んでいません.なぜでしょうか?それは,IT化にはコンテンツの提供が不可欠なのですが,どの大学でも共通のコンテンツの存在が難しいからなのです.この研究グループでは,大学教員が手間を必要以上にかけずに効果的な授業を進めるソフトウェアツールを開発します.
6. 一人暮らし老人の安否確認システム
老人と雑談をし,家族の情報を伝えることで遠く離れた家族が見守れるシステム.
7. Web履修システムの改良
明治大学の使い難いWeb履修システムをなんとかしたいのですが,大学は改修に大幅な資金が必要なので行ってくれません.少なくとも事前にチェックできるシステムを情報科学科の学生には提供したいと開発してきました.
8. 獣害防止支援システム
猪,鹿,猿などによる農作物被害は,日本では年間200億円と言われています.これは,狩猟人口の高齢化,銃や猟犬などの維持管理費,警察による狩猟用銃の免許の許可の厳しさ,自然保護団体のいきすぎた保護などの理由によります.今や,鹿の頭数は,日本にいる牛の数を超えるまでに増加し,樹皮などを食害することで山の樹木も立ち枯れをするなど自然破壊の元凶にもなっています.少なくとも畑や田の農作物の被害だけでも検知し早期に対応するなどは必要なのですが,安い維持管理費で行わない限り使えない零細農家に使えるシステムを提案していく予定です.
9. 天文関係
天文部の学生が井口研に何名か過去にいました.流星観測システムや太陽黒点観測システムを作成してきました.とくに,開発した太陽黒点観測システムは,アマチュア観測家に使われており(http://sunspots.sakura.ne.jp/),太陽黒点観測に活用されているシステムです.また,流星観測システムは,日経新聞で取り上げられたこともあります.現在は,天文部の学生がいないので休止中です.
10. Androidアプリ開発
ボーリング高得点システム,ダイエット支援などさまざまな支援をしてくれる人が欲しいです.
11. 美肌化システムの開発
荒川薫教授(現在は総合数理学部)と共同研究で,FPGAを使った美肌化専用ハードウェアやGPUを使った美肌化システムを過去に作成しました.アルゴリズムは荒川先生,システム作りの工夫は井口研で行いました.ゾンビフィルタは,結構受けました.
12. その他の研究内容
数独パズルを高速に解く専用ハードウェア,軍人将棋を戦うシステムなどを過去に開発しました. これ以外に,若い人の発想力でコンピュータの面白い応用を作っていきたいと考えています.